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すき焼きの研究

もともと僕はすき焼きをそれほど愛していない。
だいたい、上等な肉にあんなに甘じょっぱく味をつけるなんて失礼なのではないか、酒と合わせて食べるには味が濃すぎるので飯のおかずなのではないか、それならば鍋形式にしないで野菜を煮て最後にさっと肉に火を通す煮物として食卓にのせた方がいいのではないのだろうか。

今まで我が家、そして外食で食べた東京のすき焼き屋さんは「割り下」で味をつけて食べていた。まずは牛脂をひいて肉をさっと焼き割り下を投入。野菜類を加えながら肉が煮え過ぎない頃合いを見て卵に付けて食べる。確かにまずくはない。でも何か違う気がした。
きっかけは後輩の実家から飛騨牛をいただき、昨年我が家ですき焼きパーティーをした時のことだ。丁寧に割り下を作りすき焼きを作り始めた。僕は他に作るものがあったので途中から食卓に参加。鍋を見てみると寄せ鍋みたいに野菜が大量投入されている。当然割り下は薄まりすぎて味も中途半端に。醤油や砂糖を加えて危機を脱した。皆「美味しい」と行って食べているが、僕は「????」。
後半になって皆のお腹もほぼ満腹となったところで、最後の1パックをあまり食べていない僕が食べようと思ったら割り下が品切れ。じゃあ関西風に砂糖と醤油で味をつけてみようかな、でもさらに甘くてしょっぱそうだなと思ったけれどもトライしてみた。
熱した鍋に牛脂をひき、食べられる分だけのお肉を平に鍋に入れる。砂糖をさっとかけて醤油を少々。お酒も少し加えて肉を入れて1分もしないうちに煮ばなの肉を卵に付けて食べてみた。
「美味い」砂糖が肉の脂肪に絡み付き、醤油が焼けた香ばしさが加わり肉の旨味を増していても殺してはいない。鮮烈に味が記憶に残った。

んで先日、本屋でこんな本を見つけた。

すき焼き好きな筆者が日本中のすき焼きの名店を巡り、多種多様なすき焼きの仕立て方、味を書いている。
読み終わり、様々な思考を加えpooyan的美味しいすき焼きの方法論が完成した。

まず肉、ブランド牛である必要は全くない。ただしある程度は霜降りの方が美味しい、赤身が多すぎると砂糖の甘さに負けてしまう。

野菜は、何でもいいが長葱は絶対に外せない。それから水分の多い白菜などはあまり入れない方がいい。

仕立て方。基本コンセプトはすき焼きは肉を焼き、鍋に残った肉の旨味で野菜を食べるものである。
すき焼き鍋は鉄製のものでなくてはならない、テフロン加工の電器の鍋では水分も早く飛ぶし、肉の旨味が鍋に残らない。まずは鍋を軽く温め牛脂をひく。次に砂糖(僕はきび砂糖を使う、甘さが優しい)をうっすらと雪が降ったように鍋に散らす。直接肉が鍋肌にくっつかず、砂糖の少し焦げた美味さはたまりません。
肉は一度に食べる分だけ鍋に入れます。片面をさっと焼いたら醤油を少々。
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この醤油が大切。今回は「かめびし 三年醸造」を使用。しょっぱさが少なく少し甘めで濃厚なこの醤油はすき焼きにぴったり。おすすめです。
ミディアムレアのお肉を卵につけてさくっと頂きます。
美味しすぎます。

次には野菜、シラタキ、豆腐などを鍋に入れて、砂糖、醤油、酒、昆布だし少々を加えていただきます。
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今回は松茸を奮発しちゃいました。

野菜をあらかた食べ終わったら、また最初の肉に戻ります。
この繰り返しです。もちろん2巡目の野菜の方が肉のうまさが倍になっておいしいです。

こうして食べると一人分は、すき焼き肉2〜3枚(150〜180g)もあれば充分満足感あります。すき焼きとは焼いた肉の旨味で野菜を沢山食べる料理という結論。
by alcoholic_t | 2008-10-28 10:42 | めし日記

死ぬために生き、生きるために食べている。


by alcoholic_t