会いたい人
2009年 01月 16日
ほるもんのうた
手ぶらで生きる動物の
はらわた旨し秋の空
レバ刺し一皿七十円
家賃は七万八千円
原稿一枚四千円
名前を持たない動物の
はらわた光る名月や
人一人いない野っ原で
食べることだけ考えて死んだ前世の夢を見る
私を知らない動物の
はらわた探す一人旅
外道という言葉を遺し
あの日別れたあの男
肉を焼くのが上手かった
「悶々ホルモン」 佐藤和歌子著より
名著である。感動した。単なるホルモン店のガイド本ではない。
磨き込まれた言葉のひとつひとつから、ホルモンと酒場への愛が感じられる。都会で生きる女性が一人でもつ焼きを食べ、酒に浸る姿を思い浮かべ、その強さと裏腹に隠れる哀を感じずにはいられない。
ホルモンヌ 佐藤和歌子さん。
ぜひどこかの酒場でお会いしたい。
by alcoholic_t
| 2009-01-16 11:29
| たんなるブログ